児童発達支援と放課後等デイサービスの違いとは?|医療的ケア児が利用するときの壁

制度・手続き

こどもの発達や障害のことで支援先を探し始めると、必ずと言っていいほど出てくるのが「児童発達支援」と「放課後等デイサービス」という言葉です。
名前だけではどういった福祉サービスなのかイメージしづらいですよね。
この2つの制度について、初めて知る方にもわかりやすいように整理してみようと思います。

どちらも「障害児通所支援」というくくりの中にある

元は一緒だった

児童発達支援と放課後等デイサービスは、どちらも児童福祉法にもとづく「障害児通所支援」というサービスです。
「児童デイサービス」という一つの制度が、2012年の児童福祉法改正で、対象年齢によって2つに分かれました。つまり、枝豆と大豆みたいなものです。

児童発達支援【児発】ってどんなもの?

未就学児を対象とする

児童発達支援は、略称「児発」と言われている小学校に上がる前の未就学児(0〜6歳)を対象にした支援です。
日常生活の基本的な動作(着替え、食事など)の練習や、集団生活への適応など、保育をベースにしながら発達を促していく場、というイメージです。
そして、利用時間帯は平日の日中早い時間帯が中心です。

支援の中身は、大きく5つの領域で考えられています。

  • 健康・生活
  • 運動・感覚
  • 認知・行動
  • 言語・コミュニケーション
  • 人間関係・社会性

この5領域を意識しながら、遊びや日常生活の中で、その子に合ったペースで発達を支えていく場所、と考えるとイメージしやすいと思います。

放課後等デイサービス【放デイ】ってどんなもの?

児童を対象としている

放課後等デイサービスは、略称「放デイ」小学生から高校生まで(6〜18歳、就学している児童)を対象にした支援です。
名前の通り学校の授業が終わったあとや、夏休みなどの長期休業日に利用します。
健康なこどもで言う「学童保育」の、障害児版といったイメージが近いかもしれません。

支援の中身は、次の4つの基本活動を軸に考えられています。

  • 自立支援
  • 創作活動
  • 地域交流
  • 余暇の提供

放課後等デイサービスは、学校卒業後の社会生活を見据えています。
生活能力の向上や、社会との関わり方を育てていく、という点に特徴があります。

「児発」と「放デイ」の主な違い

ここまでの内容を整理すると、一番の違いは「対象年齢」「見ている先」です。
児童発達支援は未就学児が対象で、日常生活と発達そのものを支えます。
放課後等デイサービスは就学後の児童が対象で、学校生活と両立しながら、その先の自立や社会参加を見据えて支えます。「未就学なら児童発達支援、就学したら放課後等デイサービス」と覚えておけば、まず迷うことはないと思います。

利用をするには?

必要なのは受給者証で、「手帳」ではない

どちらのサービスも、利用するには市区町村から発行される通所受給者証が必要です。
療育手帳や障害者手帳、診断名がなくても利用できない訳ではありません。
医師や保健師により「療育が必要」と認められれば受給者証が発行されます。
そのため、気になる方はまずお住まいの自治体の窓口や、かかりつけの医療機関に相談してみることをおすすめします。

費用負担には所得制限の急激な崖が存在

障害児通所支援(児発・放デイ)の利用者負担上限月額は所得区分

  • 生活保護・非課税世帯:0円
  • 一般1(市町村民税所得割28万円未満、目安年収890万円以下):4,600円
  • 一般2(それ以外):37,200円

一般1から一般2に切り替わる瞬間に上限額が約8倍。
ラインをわずかに超えただけで、月4,600円だった負担が一気に37,200円になるという問題があります。

所得により障がいが無くなるわけではない。

緩やかに増えていくのではなく、崖のように一気に重くなる所得割です。
しかも、この所得区分は世帯合算で判定されます。
障害児の場合、成人の障害福祉サービス(本人と配偶者のみで判定)よりも範囲が広く、「保護者の属する住民基本台帳上の世帯」が基準になります。
共働きであれば当然両親の所得が合算されますし、同居する祖父母がいれば、その所得まで対象に含まれ得ます。
家族の助けを借りて育てているほど、かえって負担が重くなりかねない構造です。
所得で、こどもの障害がなくなるわけではありません。
こうした世帯はすでに高い社会保険料を負担しています。
その上でさらに重い利用者負担を課す今の仕組みには、正直、納得しがたいものを感じます。

医療的ケアが必要な場合、知っておきたいこと

医療的ケア児には看護師さん配置の壁

我が家のような医療的ケアが必要なこどもの場合の話をします。
制度としての児童発達支援・放課後等デイサービスは今お伝えした通りなのですが、実際に「医療的ケアが必要なこどもを受け入れてもらえるかどうか」は、また別の問題です。

酸素や経管栄養など、医療的なケアが必要な場合、施設に看護師さんが配置されているかどうかが大きなポイントになります。
看護師さんが常駐していない施設では、医療的ケアが必要なこどもを預かれない。
あるいは、看護師さんが出勤している日しか利用できない、というケースもあります。
利用に関して問い合わせる際、医療的ケア児を受け入れられるかの確認が必要です。

この記事の冒頭で少し触れたように、我が家も情報収集や見学に、かなりの時間と労力を使いました。この「実際どうやって探して、どう利用が決まったか」というリアルな経緯については、また改めて別の記事で詳しくお伝えしたいと思っています。

おわりに

児童発達支援と放課後等デイサービス、混同されがちですが、対象年齢と役割で考えるとシンプルに整理できます。
まずは「うちの子は今どちらの年齢にあたるのか」「医療的ケア児が利用できるか」というところから、情報収集を始めてみてください。
次回以降、実際に利用してみて感じたことを、それぞれ詳しくお伝えできればと思っています。

※この記事は制度の一般的な内容をまとめたものです。自治体や施設によって運用が異なる場合がありますので、詳しくはお住まいの自治体の窓口や、利用を検討している施設に直接ご確認ください。

参考にした情報

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