在宅酸素療法とこどもの暮らし|プローブ管理・酸素濃縮器・イヤイヤ期のリアル

医ケア・難病児

胃ろうや栄養のことは何度か書いてきましたが、息子との暮らしの中には、もう一つ長く付き合ってきたものがあります。それが在宅酸素療法です。
まだ小さい息子を抱っこしながら、酸素ボンベを背負って外出していました。あの独特な細いリュックの重さは、ほかにはないものでした。

酸素濃縮器と聞くと仰々しいですが、見た目は大きめの除湿器のようなもの。
思い返せば、パルスオキシメーターのプローブ管理、機械を置く場所の工夫、そして地味に手強かった「酸素イヤイヤ期」まで、実際に暮らしてみないとわからないことがたくさんありました。今回は、酸素と一緒に生活してきた中で経験したことを、実体験ベースでまとめておこうと思います。

在宅酸素療法ってどんなもの?

比較的メジャーな?医療的ケア

在宅酸素療法は、心肺の負担軽減やその他の目的で、自宅で酸素を吸入しながら生活する医療的ケアのひとつです。
酸素濃縮器という機械で空気中から酸素を作り、鼻に装着するカニューレという細いチューブを通して吸入します。
メーカーや能力の差で違いはありますが、雰囲気の近しい家電を挙げるなら大きめの除湿器です。

停電時や外出時のために、酸素ボンベも併用します。
息子を抱っこし、酸素ボンベを背負う時期はひたすら重かったです。

酸素の量は、状態に合わせて調整されていく

我が家の場合、使い始めの半年は増減が多かった

酸素の量は「ずっと同じ」ではありません。息子の場合、体調や手術の度に変わりました。
ある時期は、日中の酸素を外してみることになったのですが、その際「SPO2の値が80を切らなければ大丈夫」という先生の目安を確認し、実際に外してお散歩してみることに。
身軽になった一方で体力を使うのか、お昼寝が長くなるといった変化もありました。
当然と言えば当然ですが、酸素量の影響がしっかりとあるのを感じたものです。
数値だけでなく、顔や唇などの見た目の変化も、判断材料としていました。

ルームエアーって何?

先生によっては、「SPO2、ルームエアーでいくつですか?」と聞いてきます。
主治医の先生に聞かれたことは無かったのですが、これは酸素を付けてない状態のことだそうです。
以後、時々測るようになりました。

酸素濃縮器設置の注意点

室温が上がるタイプの機器です

また、酸素濃縮器そのものが熱を持つ機械なので、夏場は部屋の温度管理に苦労しました。
機械の発熱と真夏の暑さが重なると、正直嫌になる時もあります。
酸素の管は長さが5mあります。結果、夏場は廊下に出して使っていました。
反対に冬は室温を上げてくれる点が重宝します。

音が気になる

酸素濃縮器は、家電の様に色々選べるわけではありません。
病院が手配した指定の業者さんが、退院の日に対応したメーカーさんの機械を持ってきて設置していきます。
我が家の酸素濃縮器が、他社製品と比べて音が大きいとかはわかりません。
しかし、一定のタイミングで小さく「バイーン」という音が出るのが気になっていました。

火気厳禁

コロナ禍に事故として耳にしたのが酸素濃縮器を使用中の事故です。
煙草を吸ってしまい、引火したというような話をよく耳にしました。
我が家には喫煙者はいませんから、火と言えばお誕生日のろうそくが一番に頭に浮かびます。
どうかお気をつけて下さい。

パルスオキシメーターとプローブの管理

酸素濃縮器とセットでやってきました

酸素の量を判断する上で欠かせないのが、血液中の酸素飽和度(SPO2)を測る「パルスオキシメーター」です。
息子の場合、足にプローブというセンサーをテープで固定していました。
手に付けることもできますが、遊びの邪魔になってはむしり取られるので足がベターです。

地味に大変だったのが、このプローブの管理です。
お風呂のたびに左右の足を入れ替えて貼り直しています。本体は医療用の布テープのようなもので、汗を吸ってどうしても臭くなってしまいます。
プローブは水に弱く、お風呂に入るときは外す必要があります。
1週間ほどで交換したくなるにおいになるのですが、業者さんいわく1つ数千円もするそうで、頻繁な交換にはためらいがありました。

プローブを洗って乾かしてみた話

パソコンのキーボードは、水洗いしても完全に乾かすと問題なく使える。
以前、知人がそんなことを言っていました。
試す価値はあるかな?と、使い古したプローブを、水洗いしてみました。
念入りに乾かしてから使ってみると、確かに問題なく使えました。
ただし、これはあくまで我が家が自己責任で試したことです。
プローブは精密な医療機器で、しっかり乾燥させないと感電や故障の原因になります。
試す場合は自己判断・自己責任。
まずは息子に使う前に自分で試して確認してから、というステップを踏みました。
同じように悩んでいる方の参考程度に留めていただければと思います。

酸素イヤイヤ期

在宅酸素ケア児ならでは

1歳までは経管栄養のチューブが一番の不快所だったので、気にならないかな?と思っていましたが、そうとは限りませんでした。
息子にもカニューレを嫌がり、外してしまう時期がありました。
訪問看護師さんの助言で、鼻の中に入るパーツを少し切ってあげるなどして対応しました。

この限定的なイヤイヤ期が過ぎると、鼻からずれたカニューレをメガネを押し上げるみたいに自分でなおしてました。
ものすごくかわいいのにタイミングが難しく、映像に残せなかったのが非常に残念です。

カニューレ固定には、多くの場合フィクソムルストレッチという医療用テープが使用されます。
油性ペンで絵を書いたりしやすく、通気性が良く肌への負担が小さいという特徴。
ソフトにくっつき、はがしやすいので多用途に使いやすかったです。
幅が広いので、安定しやすく、術後のガーゼを体にはりつける用途にも使用されていました。さらに、胃ろうのチューブをパジャマに固定する時にも使ったりします。粘着剤が布に残りづらい、家庭で使いやすいテープです。

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おわりに

在宅酸素療法は、機械や消耗品の管理、コールセンターや業者さんとのやり取り、季節ごとの工夫など、多くの人や物の関りで成り立っていました。

この記事が少しでも、酸素濃縮器をご使用の方にとって参考になればと思っています。

※この記事は我が家の体験に基づく個人の記録です。酸素の管理方法や量の調整は、お子さんの状態によって大きく異なります。気になる症状がある場合は、自己判断せず、必ず主治医や訪問看護師などの専門職にご相談ください。プローブの洗浄など医療機器の取り扱いに関する内容も、あくまで我が家の体験談であり、推奨するものではありません。

→あわせて読みたい:「医療的ケア児・障がい児の防災備蓄」酸素ボンベに関してふれた要素があります。

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