難病児のお薬管理|薬局探し・配達依頼を実体験で解説

医ケア・難病児

お薬管理に関して

難病育児の中でも「お薬管理」は煩雑です。そして、長く付き合っていくテーマです。
この記事では、退院した瞬間から始まる「薬との付き合い方」を実務的な観点から整理していきます。

退院処方とその後

退院が決まると、病院からは数日〜1週間分程度の「退院時処方」が渡されることが多いです。
大抵は次の通院までの処方です。
ここで注意したいのは、退院処方はあくまで「つなぎ」だということ。

調剤薬局探し

意外と知られていませんが、すべての調剤薬局が、難病児が服用するような特殊な薬に対応できるわけではありません。実際に我が家が断られた理由は、大きく2つでした。

  • 特殊な薬のため、薬局側が常時在庫を確保しておけない
  • 散剤(粉薬)にする作業が必要な薬で、処方量が変更になった際にすぐ対応できない

つまり、「取り扱いたくない」のではなく、「在庫と調剤の手間の面で、現実的に対応が難しい」という薬局側の事情があるケースが多い、ということです。この事情を知っておくだけでも、断られた時の受け止め方が変わってくると思います。

近隣の薬局を探す際のコツ


近隣の薬局を探す際は、大きく2つの選択肢があります。それぞれに向き・不向きがあるので、比較してみます。

子ども病院の門前薬局

メリット
・対応力が高く、断られにくい
・キッズスペースが完備されている
ことが多い
デメリット
・混む。待ち時間が長くなりがち
・駐車場のキャパが足りず停められないこともある
・自宅から距離がある
・配達可か要確認

町の中の調剤薬局

メリット
・自宅から近い
・ドライブスルー対応などの企業努力
・配達対応可が多め

デメリット
・特殊な薬の場合処方が出来ない
・薬が欠品することがある

選ぶ前に、必ずやっておきたいこと

町の調剤薬局を検討する場合は、入院中に薬剤師さんからもらうお薬情報を持参し、事前に対応可能かを問い合わせておくのが確実です。目安として、

  • 大規模なチェーン薬局
  • 県内に複数店舗を持つ中規模以上の薬局

は、特殊な処方にも対応してくれる可能性が比較的高い傾向があります。

結論として

「退院直後で薬が安定するまでは門前薬局、処方が落ち着いてきたら自宅近くの薬局に切り替える」というように、時期によって使い分けるというのも一つの現実的な選択肢です。
実際、多くのご家庭がこのような形で、2つの薬局をうまく使い分けています。

配達の依頼と手続き

薬を家まで届けてもらう方法には、大きく2つあります。
名前も手続きも、まったく違うものです。
ここを混ぜてしまうと、薬局でも主治医でも話が通じません。私も最初は、ごちゃ混ぜにしていました。

① 薬局が届けてくれる「配送」

薬局が、調剤した薬を自宅まで届けてくれる仕組みです。

国の事務連絡(厚生労働省、2022年3月31日)には、薬局がすることとして、こう書かれています。

  • 品質を保った状態で、速やかに届ける
  • 郵送や配送をする場合は、あらかじめ手順を定めておく
  • 配送のあと、薬が確実に患者に渡ったことを電話などで確認する
  • 受け取りが確認できないときの対応を、前もって患者と決めておく

この文書に、医師の指示が必要だとは書かれていません。

ただし「あらかじめ手順を定めておく」とあるとおり、やり方は薬局が決めます。
だから配達をしているかどうかも、必要な手続きも、薬局によって違います。

聞く相手は、主治医ではなく薬局です。

  • 「お薬の配達はしていますか」
  • 「配達をお願いする場合、何か必要なものはありますか」

この2つを先に聞いておくと、話が早いです。

② 薬剤師が家に来てくれる「在宅患者訪問薬剤管理指導」

こちらは、別の仕組みです。
薬剤師が家まで来て、薬の管理や説明をしてくれます。

条件がいくつかあります。

  • 主治医の指示が必要
  • 在宅で療養していて、通院が困難な人が対象
  • 前もって届け出をしている薬局であること
  • 薬剤師が計画を作ったうえで訪問すること

こちらは「届けて終わり」ではありません。
家にある薬の状態を見て、整理まで手伝ってもらえます。

障害のある18歳未満の子を対象にした加算もあります。
つまり制度の側も、医ケア児のいる家庭を想定しているということです。

こちらを使いたいときは、主治医に相談してください。

「通院が難しいので、薬剤師さんに来てもらう形は使えますか」

この聞き方で通じます。

わが家の場合

栄養剤は多いと1カ月分を処方されていました。これは、とても重かったので薬局さんに届けて頂いていました。薬局さんによる「配送」です。

そして、ごくごく初期だけはお薬の管理や保存方法(当時はインクレミンなどの水薬やその他座薬も処方されていた)に関しての案内をいただくために薬剤師さんによる案内を利用していました。
恐らくこれは、先生も処方箋を書くときに気をまわして下さったんだろうと思います。
こちらは「在宅患者訪問薬剤管理指導」です。

迷ったときの順番

通院そのものが難しいなら、主治医に「訪問の形は使えますか」と聞く配達の依頼と手続き
まず薬局に「配達はしていますか」と聞いてみましょう。
配達で足りるなら、それで解決です。

4. 保管に関する注意点

「湿気対策」と聞くと梅雨時期を思い浮かべます。しかし、お薬に関しては夏も気を抜けません。

災害備蓄用に保管していた薬の中で、袋の中で劣化してこびりついてカリカリになったことがあります。(ここは明確ではないのですが、多分一回溶けたんじゃないかと・・・)

何にせよ、冷蔵庫保管などのお薬もあります。
冬よりも夏のほうが、保管には気を配る必要があると感じています。

そして、自宅以外の備蓄薬は施設側の理由もあり、場所を選べないことも。
定期的な中身の確認を習慣にしておくことをおすすめします。

厚生労働省 事務連絡「調剤された薬剤の薬局からの配送等について」(令和4年3月31日)

調剤報酬点数表 在宅患者訪問薬剤管理指導料

5. お薬在庫管理アプリの活用

難病を患っているこどもたちは、沢山のお薬を必要とします。
毎日の服薬管理だけでも本当に大変です。そこで

お薬の管理アプリを作成しました

循環器系の病気を抱え、沢山のお薬を服用する息子。
限られた自宅スペースや学校などのお薬残量を管理するのは大変。
そのため「お薬在庫管理アプリ」を作成しました。
同じ悩みを抱える方々のお役に立てればと思い、ダウンロードページで公開することにしました。

朝・夜などタイミングごとの在庫が一目でわかります。
残薬数の管理は自動と手動を選べるようにしました。
往診や通院の前には、医師に相談したい薬だけをリストアップしてくれます。

複数施設の備蓄薬数と処方日の記録

学校や放デイ、複数の保管場所ごとに防災備蓄薬を管理できます。
息子が学校に通う毎日で、持たせ忘れたお薬を備蓄品から使うという場面があります。
いま、何日分あるのか?それを忘れないようにと付けた機能です。

入力データは端末内にのみ保存される仕組みなので、大切な服薬情報を安心して記録できます。
テーマカラーも選べるので、きょうだいで管理したいご家庭にもきっと役立つはずです。
ぜひ、ご活用ください。
クリックでダウンロードページへとびます。

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