私は医療的ケアのある子どもを育てています。

はじめまして。つばめです。
医療的ケアのある息子を育てています。
このブログに来てくださった方は、もしかしたら今、こんな状況かもしれません。
・お子さんに「医療的ケアが必要になるかもしれない」と言われた
・「医療的ケア」という言葉を調べている
・障がいのある子の子育てを、少し知りたい
わかります。
私も最初は、何もわかりませんでした。
この記事を読めば、医療的ケアがどんなものか、ざっくりつかめます。
そして、最初に誰に相談すればいいかもわかります。
私と息子が歩いてきた道も、少しだけお話しさせてください。
医療的ケアとは?
毎日の暮らしに欠かせない、医療的なケア
結論から言います。
医療的ケアとは、毎日の生活を送るために続けて必要になる、医療的なケアのことです。
病院で受ける治療とは少し違います。
家や保育園、さらには学校で。
暮らしの中でずっと続いていくケアです。
2021年にできた「医療的ケア児支援法」では、人工呼吸器による呼吸の管理やたんの吸引などを、医療的ケアとしています。
どんなケアがあるの?
たとえば、こんなケアがあります。
・人工呼吸器による呼吸の管理
・たんの吸引
・酸素療法
・経管栄養
・導尿
こうしたケアが毎日欠かせない子どもを、医療的ケア児といいます。

ケアをするのは誰?
医療的ケアは、医師や看護師だけが行うものではありません。
決められた研修を受けた介護職員なども、条件つきで、たんの吸引や経管栄養を行えます。
そして家では、家族がケアをしています。
このあと、もう少しくわしくお話しします。
「寝たきり」とは限らない
医療的ケア児と聞くと、寝たきりの子を思い浮かべるかもしれません。
しかし歩いたり動き回ったりする子もいます。
「動ける医ケア児」と呼ばれることもあります。
それが、うちの息子です。
目を離せない毎日は、本当に大変でした。
全国に約2万人
家で暮らす医療的ケア児は、国の推計で全国に約2万人(2023年)。
子どもおよそ1,000人に1人の割合です。
くわしい数字は、こちらの記事にまとめました。
→ 医療的ケア児は全国に約2万人。「うちだけじゃない」とわかる数字と、増えている本当の理由
医療的ケアの子育てで、知っておいてほしい3つのこと
ここまでを受けて、伝えたいことが3つあります。

1. 一人ひとり、まったく違う
同じ病気の子でも、ケアがあるかないかは違います。
必要なケアの種類も違います。
ネットで見た誰かの暮らしが、そのまま当てはまるとは限りません。
2. 毎日のケアを担うのは、おもに家族
訪問看護や往診、福祉サービスを使っても、それで一日がうまるわけではありません。
夜中のケアも、急な体調の変化もあります。
家にいる時間のほとんどは、家族が受け持っています。
3. 住んでいる地域で、使える支援が違う
私がいちばん強く感じてきたのは、これです。
訪問看護師さんの数が少なく、来てもらえない地域もあります。
「あの地域なら、こんな支援が受けられるのに」
情報があふれる今は、そんな話もどうしても耳に入ってきます。
しかしすぐに引っ越せる家族は、ほとんどいません。
だからこそ、まずは情報収集です。
使える支援を知って、使えるものを使っていく。
全部を一人で背負わなくていいんです。
私と息子のこと

ここからは、すこし私たちの話です。
妊娠後期の健診で
息子の心臓病がわかったのは、妊娠後期の健診でした。
それまでは「よく蹴り技出す元気な赤ちゃん」くらいに思っていました。
スマブラでいうならカズヤ(三島一八)みたいな子だな、と。
そんな息子について、大きなこども病院で告げられたのは「単心室症」という病名でした。
心臓には本来、血液を送り出す部屋(心室)が2つあります。
息子の心臓には、それが1つしかありませんでした。
生まれたらすぐPICUに入院すること。
体の状態が安定するまでに、何回も手術が必要なこと。
そう説明されました。
正直に言います。
私は息子が生まれるまで「医療的ケア」という言葉を知りませんでした。
「すごく重い病気の子を育てる」
それはシンプルに、恐ろしかったです。
赤ちゃんって、それだけで壊れもののようじゃないですか。
そこに難病が加わるんです。
「何か間違えてしまったらどうしよう」の極致でした。
手術、そして医療的ケアに追われる日々
息子は生まれてすぐ、PICUに入りました。
ドラマの題材になったこともある、子どものための集中治療室です。
生後4か月で、1回目の大きな手術(グレン手術)を受けました。
ざっくり言うと、上半身から戻ってくる血液を、心臓を通さずに肺へ流す手術です。
はじめて退院して家にやって来たのは、生まれて半年とちょっとたったころ。
そこからは、在宅酸素とEDチューブの生活です。
EDチューブは、鼻から十二指腸まで通す細いチューブです。
そこから24時間ずっと、ポンプで栄養を入れ続けていました。
1歳半で胃ろうを造りました。
胃ろうは、おなかから胃に直接つながる小さな口です。
見た目は、ビーチボールの空気入れ口のようなものです。
しかし胃ろうのまわりから栄養が漏れ続け、2歳7か月で造り直すことになりました。
胃ろうを選ぶまでの迷いと、漏れが続いた日々は、こちらにくわしく書いています。
→ 経管栄養児のリアル|胃ろうを選ぶまでの葛藤と、我が家の経過
→ 胃ろうを造ったら生活はどう変わる?|造設後のケアと我が家のリアル
→ 胃ろうが漏れ続けた9カ月間|再増設を決断するまでのリアルな記録
フォンタン手術、そして保育園へ
心臓の弁の手術をへて、4歳でフォンタン手術を受けました。
下半身から戻る血液も、肺へ直接流れるようにする手術です。
これで1つの心室は、全身に血液を送る仕事に集中できます。
保育園に入れたのは、年長の年でした。
1回目の保活は、不承諾。
2回目で、やっと決まりました。
その年度には不整脈と心不全で入院し、ペースメーカーを入れています。
→ 医療的ケア児の保活は、なぜこんなに大変なのか。不承諾になっても申し込む理由
→ 医療的ケア児の保育園、内定してもゴールではなかった――2回目の保活とその後に待っていた現実
今は小学2年生。
学区内には、息子が通える学校がありませんでした。
そのため、学区外の小学校の支援級に通っています。
住んでいる場所によっては、通える学校が学区内にないこともあるんです。
私がやってきた医療的ケア

この7年で、こんなケアをしてきました。
・在宅酸素とそのケア
・NGチューブでの栄養注入
・EDチューブでの栄養注入
・ネラトンカテーテルを使った浣腸
・胃ろうからの栄養注入
・胃ろうまわりのケア
栄養の入れ方も、在宅酸素があるかないかも。
医療的ケアの中身は、成長とともに変わってきました。
今は胃ろうからの注入とそのまわりのケア、ネラトンカテーテルでの浣腸くらいになっています。
チューブの固定に悩んだときの工夫は、こちらの記事で紹介しています。
→ 【オメガ貼り】経鼻チューブ・EDチューブの固定方法の超必殺技!?
そして、ASDの疑い
息子は、発達もゆっくりです。
3歳3か月で受けた発達検査では、おおよそ9か月ほどの発達でした。
ただゆっくりなだけだと思っていました。
しかし小学1年生の後半から、特定の音をとても嫌がるようになりました。
聴覚過敏です。
2年生になる春、小児心療科を受診しました。
そこで出てきたのが、ASDの疑いです。
心臓病の子は、発達やこころの面の課題が出やすいことも、研究で報告されています。
英語の論文をやさしく読み解いた記事はこちらです。
→ フォンタン手術のあと、こどもの「発達」と「こころ」はどうなる?〈論文編〉
このブログを書く理由
困った記憶の使い道
体の弱い息子を育てる不安。
慣れない医療的ケアに追われる毎日。
とにかく必死でした。
日々はタスクで埋めつくされ、自分の気持ちと向き合う余裕はどこにもありませんでした。
だから今、思うんです。
「誰かのお母さん」である人の、その人自身の幸せ。
それが行方不明にならないようにしたい。
私の経験と後悔が、誰かの役に立てばいい。
そう思って、このブログを始めました。

補足:「医療的ケアが必要かも」と言われたら
まず何をすればいいか、わからないと思います。
医療的ケアの子の支援は、医療だけでは完結しません。
いちばんの近道は、同じ地域の医ケア家族とつながることです。
病院や療育先で出会う、先輩ママ・パパの情報は本当に心強いです。
身近に誰もいなかったら、こんなところに相談してみてください。
・病院の医療ソーシャルワーカー(ケースワーカー)
・保健センターや保健所の保健師さん
・役所の障がい福祉の窓口
・都道府県の医療的ケア児支援センター
窓口の名前や支援のしくみは、自治体によって違います。
まずは「どこに聞けばいいですか」と聞くだけで大丈夫です。
→ 障がいのあるこどものことで困ったら、どこに相談すればいい?
NPOなどの支援団体を頼る方法もあります。
私が実際に利用したのは、こちらです。
認定NPO法人 難病のこども支援全国ネットワーク
医師や看護師、社会福祉士などの専門職が相談にのってくれます。
親の会がない病気でも、同じ病気の家族を探す手助けをしてくれることがあります。
https://www.nanbyonet.or.jp/
まとめ
・医療的ケアは、毎日の暮らしに欠かせない医療的なケア
・医師や看護師のほか、研修を受けた介護職員、そして家族が担っている
・医療的ケア児は全国に約2万人。寝たきりの子だけではない
・ケアの中身は一人ひとり違う
・使える支援は住む地域で違う。だから、まずは情報収集
もし今「医療的ケアが必要かも」という不安の中にいるなら。
まずは病院のソーシャルワーカーさんに、「使える支援を知りたい」と一言伝えてみてください。
このブログでは、制度のこと、ケアのこと、そして母としての気持ちのことを書いています。
同じ道を歩くあなたの、小さな道しるべになれたらうれしいです。
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